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短歌につづった若き日々。そのあと、笑って下さい。

短い文に秘められた想いは実に奥深いものがある。ケアマネとしてTさんを訪問したときに改めて感じた・・・。

『富士山に のぼりて見れば 山小屋の 
  こたつ囲みて あくびするかな』

若いころに謳われたTさんの短歌である。今でも鮮明に覚えておられるのが素晴らしい。さらにこんな短歌も口に出る。

『満開の 桜の花に 誘われて 今日も一日 春を楽しむ』

『岩陰に ひとりさみしく 咲く芙蓉 乙女を想う 白き花びら』

1日の殆どをベッド上で過ごされており、戸外に出ることはないTさんであるが、心の世界では自由に時空を超え、青春時代が見事に蘇る。


その数日後、Tさんを担当するNヘルパーから白い封書が届いた。
封筒の表には〝笑って下さい”と記されており、興味深く
開けてみた。

高齢者おもしろ川柳と題して100選ほどの作品が並んでいた。
その中からニンマリと笑える傑作を紹介する。

『女子会と 言って出掛ける デイサービス』
『延命は 不要と書いて 医者通い』
『景色より トイレが気になる 観光地』
『手をつなぐ 昔はデート 今介護』
『無農薬 こだわりながら 薬漬け』

2016年、新年の御挨拶

新年あけましておめでとうございます。

 旧年中は格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございました。昨年は介護保険法の改正に伴い、厳しい事業運営を迫られる形になりましたが、サービスの質の向上を図ることで乗り越えることができました。
 本年も心のこもった介護サービスを提供すべく、社員一同頑張ってまいります。今後とも皆様のご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
 後になりましたが、皆様の御健勝と御多幸を心よりお祈り申し上げます。

今年もサンタがやってきた!

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 街のいたる所でイルミネーションが光っている。 この時期になると、車を止めて写真を撮りたくなるスポットが誕生する。数年前から、わが町ではサンタクロースはペアで登場するようになった。今年ものどかな田園に仲の良いサンタさん夫婦がやってきた。
 我が家にも来てくれないかなあ!
良い子していないと、来てくれないか・・・。

2冊の話題本!

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 故郷にUターンし、車で移動することが多くなった。以前は通勤電車の中で良く本を読んだものである。今はその時間がなかなか取れない。知識や思索する力は衰退する一方である。

 先日、訪問先で気になっていた本がテーブルに置いてあった。その本の話をしていたら快く貸して頂いた。それもまとめて2冊。読破しなければ・・・。

 その1冊は最近芥川賞で有名になった「スクラップ・アンド・ビルド」(又吉氏の火花では無い)である。この本は要介護の祖父と同居する孫との関係を実にリアルに描写したものである。まるで作者自身がその本に登場している実在者ではなかろうかと思うほど、家庭の状況が見事に表現されており、一気に読み終えた。
 先月来より介護施設での虐待事件が連続して発生している。もしかして、報道されたものは氷山の一角で、知らないところでもっと何かが起こっているかもしれない。この本のように介護者を抱える家庭内においても其々の立場で葛藤、ストレスが限界近くに達し、爆発寸前に及ぶこともあるであろう。
 本は私達に介護とどう向き合うべきか、振り返る機会を与えてくれている。また、個々の人生を大切にすることも余韻として残った。

 もうひとつの本のタイトルは「だから生きる。」である。つんく♂さんが執筆された話題作である。人間の体はどの部分を失っても、それはもう深刻極まりない。つんく♂さんの場合、歌手の生命とも言える「声帯を失う。」という緊急事態。それはどれほど凄まじいものであっただろうか。
 仕事柄、現時点では治る可能性の乏しい難病を抱えた方、動けなくなって身の回りの事が出来なくなった方、余命宣告を受けている方等と出会いを持つ。その方の状況を如何に理解し、どのように接するべきか、自分が経験し得ない目の前の大きな問題に悩むこともある。
 相手の幸せを思うこと、現実を直視しながらも自然体で接すること・・・等々自分なりに想いを巡らせている。
 

サイボーグに変身!

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 H27.5.14 待望のロボットスーツHALを体験した。
 何年か前に、小泉総理がロボットスーツを装着して満面の笑みを浮かべておられたが、私にもその時が来た。

 今回、体験したのは腰用であった。介護現場で移乗や排泄介助で腰を痛めるケースが少なくない。ボディメカニクスを学び身体に極力負担を掛けないような介助動作を身につける訳であるが、療養環境や身体状況によっては理論も役立たず机上の空論となる。
 介護人材が極度に不足する将来を考えると、「今すぐにでも何か手立てを講じなければ…」と焦る思いが走る。HALが功を奏するものになって欲しいと期待している。

 さて、いよいよHALを身に付ける時がきた。興味津々であったが少し緊張感がよぎる。
まず、腰部背筋に生体電流を感知するセンサーを貼り、本体に接続。
バッテリー電源、スイッチON!
右側にあるセッティングボタンを長押しすると私の生体電流を感知した。
「ウィーン」。自身の上体を10度位前に倒すとすぐに装置が反応し始めた。
芸人のコロッケさんがロボットの効果音を駆使して面白おかしくモノマネを演ずるが、まさにその音である。

 床にある22Kgの重量物を持ち上げると腰を後方から押してくれるような感じでHALがサポートしてくれる。
重たいものがスーッと持ち上がった感覚を体に感じる!
アシストレベル(サポート強度)は5段階で調整可能だ。
人馬一体という言葉があるが、HALに慣れると人の動作と装置の作動タイミングが上手くシンクロし、その能力をさらに実感できるという。
 今まで、さまざまな現場で使用され、装置の改良を重ねてきた。介護用腰タイプはその例で、股関節の動きにも反応してサポートしてくれる。一般用のものよりも多彩な動きに反応し頼りになる感じがした。これからも進化するであろうロボットスーツHALは期待の星である。
 
次は全身にまとうタイプのHALを身につけたいなぁ。
その時、私は最強のサイボーグとなる。

若いもんには負けへん!

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 昨年末、格安で石臼が手に入った。
正月には間に合わなかったが、節分にちなんで餅つきを計画した。餅は鬼も好物に違いない。みんな仲良くすれば良い。

 厨房スタッフも朝から仕込みに掛って頂いた。餅に入れる里芋とサツマイモも特別に準備されていた。
グループデイとグループホームの利用者が一堂に会し、イベントはにぎやかに始まった。

 いよいよ、蒸した餅米が臼に入った。さあ、ここは時間との戦い。冷めない内に素早く小突きして、米粒を或る程度潰しておかねばならない。慣れないスタッフは要領を得ない。若いスタッフは力任せに杵を振り下ろし、餅米や蒸した芋は周辺に飛び散ってしまった。

「もう見てはおれん!そんな突き方ではあかん!」大きな声が高齢者から飛び始める。

 いてもたってもおられず、Oさん登場。次には歩行器でMさん登場。
一体どこにそんな力があったのか!その潜在能力たるや恐るべし!
 熱い気持ちがカラダを動かす。意欲を引き出すことはとても大切である。
 OさんとMさんに突いてもらったお餅はひときわ美味しかった。

2015年 新年のご挨拶。

新年明けましておめでとうございます。

 旧年中に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 さて昨年夏、京都府北部においては一晩中強烈な雷の轟音とともに叩きつけるような激しい雨が降り続き、山間部に限らずいたるところで土砂崩れが発生。緊急避難を余儀なくされました。とりわけ福知山市街地は大洪水にのまれて海と化し、甚大な被害が出ました。
 当社、福知山西事業所も床上浸水を被り、ひと月余り事務所機能を本社に移し復旧作業に精を出しました。その間、数多くの方々より心温まるご支援を賜りましたこと衷心より感謝申し上げます。
 秋には御嶽山の噴火。噴煙と噴石は多くの登山者の命を奪いました。振り返れば、身震いするような荒々しい1年でありました。
 
 本年こそは、どうぞ穏やかな1年となりますようにと祈らざるをえません。わが内面に問いかけ、反省すべきところを正して、この年をスタートしたいと思います。

 ところで今年の干支は羊。羊は羊飼いの導きにより身が守られています。介護事業所においての羊飼いは介護保険制度と言えるかもしれません。今年は介護保険制度が大きく変わるとき。在宅介護において、要支援対象者は介護保険制度から切り離され地域の生活支援サービス(総合事業)に移行されます。介護事業所はこの変化に対しては主体的な考えをもって対処しなければならず、茫然と時の流れに身を任せるほどの余裕はありません。思案の年となりそうです。
 ただ、変わらぬものは開設当初からの弊社の信条です。
やはり、「きめ細やかな福祉サービスの提供により、誰もが安心して暮らせるやさしい街づくりに貢献する」の経営理念を羊飼い(指針)として舵をとっていきたい。

芸術の秋!力作並ぶ。

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 今年も早や晩秋を迎える頃となった。
この時期になるとスタッフも利用者もとても張り切っている。地元のスポーツ大会や文化祭が催されるからである。厚かましいと思いつつ参加させて頂いているが、地元自治会のみなさんには快く受け入れていただき、有難く感謝している。
 綾部市豊里地区のスポーツ大会では、男子はソフトボール、女子はソフトバレーボール、年配者向けにグランドゴルフが企画されている。当社スタッフもそれぞれのチームを結成し参加させていただいた。昨年は全てにおいて1回戦敗退の屈辱を味わった。今年は練習を重ね、道具も新調した結果、ソフトボールとソフトバレーは初めて予選リーグを勝ち進み最終トーナメントまで駒を進めた。しかし、高齢者がひしめくグランドゴルフに至っては技術不足で下位を独占した。気合や集中力においても引けをとった。来年のスポーツ大会に向け特訓を始めたメンバーもいる。
 文化祭はいよいよ利用者の出番である。デイサービスとグループホームの利用者には日ごろの芸術的センスをいかんなく発揮していただいた。その作品、「とよさとの四季」及び「ミストラル川柳」を紹介する。

Aさんに学ぶ。『私がやらなければ誰がする!』

戦前と今の生活環境はとても比較にならない。
今は電化製品が満ち溢れ、必要なモノは金さえ払えば手に入る。医療も介護も整っている・・・。

つい先日、独居のAさんを訪ね、娘時代の想い出話を伺った。
Aさんは7人兄妹で自分とは15歳ほど離れた妹さんがある。
Aさんが15歳の頃、出産は自宅で産婆さんを呼んで行われていた。
当時、母親に陣痛が起きるが産婆さんが不在で絶体絶命の窮地を迎える。
陣痛の最中、母は当時15歳のAさんに“産婆さん”を命じ、何をどうすれば良いか手順を一つ一つ指示し、無事に出産されたと言う。
お母さんは15歳の助産婦の奮闘を誇らしく思われたに違いない。

Aさんはどのような事態にあってもジタバタするタイプではない。

昨年も、高所から転落して肩の骨にヒビが入り両脚は数針縫う大出血の大怪我をされた。自分で出血部を処置しそれからタクシーに乗って病院で救急受診された。怪我の大きさから『なぜ救急車を呼ばなかったんですか?』と問うと、『そんな、ザマの悪い事!』と一蹴された。病院の担当看護師もその芯の強さに驚愕したとのことだが、『(あってはならぬが)次回は救急車を呼んで下さいね。』と。

どうにもならない状況に置かれた場合でもAさんは腹が据わっている!
『悔やんでも仕方が無い!』『私がやらねば誰がする!』という声が伝わってくる。
独居生活にも起因すると思うが、幼少の頃より鍛え上げられたものがあるようだ。

果たして、環境に恵まれて育った世代にそのような気概はあるか!

私のかぼちゃ!

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朝、デスクの後ろの棚にそっと飾ってあった。
送り主は匿名であったが、すぐに分かった。
『ありがとうございます!Kさん!』
一見、ラグビーボールに似ているが正真正銘のかぼちゃである。
私の名前を入れて、私の為に汗を流して育てていただいたと思うと感謝の気持ちでいっぱいになる。自分の名前が入ると、もうかぼちゃは他人ではない。自分の分身である。尚一層、愛着がわいてくる。食べるのも躊躇しそうである。